一夜にて虫鳴く道に変りけり     片野 涸魚

一夜にて虫鳴く道に変りけり     片野 涸魚

『合評会から』(酔吟会)

冷峰 私の庭でも、ある夜、突然虫が鳴きだすんですよ。
二堂 虫は卵から孵って幼虫から成虫になるまでの期間が、同一種類だと大体同じなんですよ。だから一夜にして一斉に鳴きだすことがあります。いいところに目を付けたと思います。
反平 秋という季節は他の季節と違って一番変化を感じることができると思うのです。風とか、虫とか・・・。
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 作者は「まだまだ凡人の句ですよ」と照れ笑いなさるが、中々の観察眼、鋭い感性の持ち主であることがこの句からも伝わって来る。
 「台風一過の日、いつもは朝散歩するのだけどその日は夕方、日が落ちてからの散歩になった。そうしたら蝉の声が虫の声に代わっているのに気が付いた」という。そこをすかさず句に仕立てる。これまた見習うべき姿勢ではないか。(水)

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