締め忘る窓に九月の唐突に     大沢 反平

締め忘る窓に九月の唐突に     大沢 反平

『合評会から』(酔吟会)

正裕 夏の間開け放していた窓をそのままで締め忘れていた。突然真夏と違う風が吹いてきて、あぁそうか、もう九月なんだという感じが、唐突という言葉によく表されています。
百子 窓の風から不意に九月を発見したという感じがよく表されてます。
臣弘 まだ夏の続きだと思っていたらとんでもない、もう秋が来ているんだと。
てる夫 九月は、昼間はともかく夜になると、特に明け方には、新涼というか寒いぐらいのことが上田でもあります。そんな感じを唐突という言葉で表しています。
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 「秋来ぬと目にはさやかに見えねども…」という古歌を思い出した。暑いのだけどふと感じる九月の涼を、唐突という言葉でうまく表している。文法を云えば「忘るる」という連体形にしなければいけないのだろうが、まあ古代には「忘る」という連体形もあったというから、ま、いいか。とにかくうまく詠んだものよと感服した。(水)

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