廃線の鉄路を隠す芒かな     深田 森太郎

廃線の鉄路を隠す芒かな     深田 森太郎

『合評会から』(日経俳句会)

二堂 元気な芒とうち捨てられたものを対比させて、とてもいい。
悌志郎 引き込み線が使われなくなって、その上を芒が覆っている。言い尽くされているような句だけど、その情景が好きなのでいただきました。
昌魚 この年になって、書物とか色々片づけなくちゃいけないなと思っています。廃線を自分になぞらえて、廃線も自分もいずれきれいにしなくてはという気持ちに合っています。
明男 地方に行くとよく見られる光景で、過疎化に悩む現状を素直に詠んでいる句だと思います。
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 「廃線を覆う雑草」はこれまで嫌というほど詠まれている。しかし、相変わらず続々と詠まれ、人気を集める。句会では「鉄道関係を詠むと点が入るのかな」という冗談めかしたコメントがあった。確かにそれはある。何と言っても線路や駅は日本人にとって近代化のシンボルであり、都会とふる里を結ぶよすがだった。他の句材より一、二点多く稼ぐのは至極当然なのである。(水)

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