なまこ塀灼けて潮の香匂ふ町     廣田 可升

なまこ塀灼けて潮の香匂ふ町     廣田 可升

『合評会から』(番町喜楽会)

春陽子 西伊豆の松崎でしょうか。なまこ塀が灼けて潮の香が匂ってくる。美しい句ですねぇ。
正裕 いいですねぇ。なまこ塀の商店街から潮の香、場面の展開がよくできています。
光迷 松崎には美術館や古い呉服屋、小学校もあった。潮の香が漂ってきて、まさしくこんな感じでした。
双歩 なまこ塀は、俳句ではよく使われる素材ですが、この句はうまいですね。場面の転換が本当にうまく出来ている。海辺の近くの景が浮かびます。
大虫 松崎に行った時、確かに潮の香を感じました。海藻が渇いて「灼ける」匂いでもあるのでしょう。
斗詩子 夕日のギラギラ照り付ける海辺の街並みがすっと浮かんできました。
百子 私はしーんとした海辺の町を思い浮かべました。
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 なまこ塀(壁)は日本各地にあるのに「西伊豆の松崎」と推定した人が多く、実際にその通りであった。私も学生の頃、松崎へ行っているが、なまこ塀の印象は薄い。俳句を始める前だったからだろうか。(恂)

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