客人の去りて再び梅雨寒し     高井 百子

客人の去りて再び梅雨寒し     高井 百子

『合評会から』(独鈷山スケッチ・蛍狩り吟行)

而云 素晴らしい句だ。あの好天は全くの幸運だった。翌日からまた梅雨に戻ったという。客を迎えた主人側の喜びや安堵感もうかがえる。
正裕 大挙して訪れた句友をもてなし賑わった家にも、客が去ればやれやれという安堵感と一抹の寂しさが訪れる。
涸魚 宴の後のさびしさを伝えて余すところなし。
智宥 亭主はホッとしたかと思いきや、また寂しくなったと言う。客としては恐縮するしかない。
光迷 イベントの後に残ったものは、やれやれという安堵と疲労でしょうか。
水馬 上田の梅雨は本当は寒いのだろうなと実感。
佳子 人寄せの後のもの寂しさが梅雨寒に表された秀句だと思います。
睦子 人気者ご夫妻、たびたびこのように客人が集まるのでしょうね。
春陽子 寂寥感があり、それが又この句の良さかなと。
可升 ほんとに気分がよく出ています。
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 6月吟行で圧倒的支持を集めた句。宴の後の淋しさが戻りの梅雨寒に凝縮されている。(水)

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