他人の住む我が家懐かし柿若葉 岡田 臣弘
『合評会から』(酔吟会)
睦子 一年前田舎の家がやっと売れて…その家の裏には渋柿の木があったんです。思い出しました。
涸魚 この俳句には、物語を感じますなぁ。今は他人が住んでいる・・・。でもあの柿の木だけは変わらない・・・。
二堂 前住んでいた家が人のものになって、やはりこの家は良かったなと・・・。
而云 私の伯父の家も今は他人が住んでいます。柿の木もあったなぁ。柿の木というのは特別な思いがある。
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事情があって昔住んでいた家に他人が住んでいる。時折その家の前を通ることがある。懐かしくなって、わざわざ見に行くこともある。目印の柿の木は年月が経ってますます貫禄がついて、みずみずしい若葉を茂らせている。枝葉越しに幼かった子どもたちの二階の部屋も見える。二、三十年、時の歯車が逆回転して次々に昔の景色が甦って来る。(水)
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