鉢にまく水なみなみと立夏なり     山口 斗詩子

鉢にまく水なみなみと立夏なり     山口 斗詩子

『この一句』

 立夏は五月五日(六日の年も)だから、ちょうどゴールデンウイークの締め括り。陽差しがかなり強まって、日中の気温が二〇度を超え、時には二五度超えの夏日になったりする。
 園芸愛好家には嬉しい時期であると同時に、気の許せない時期でもある。胡瓜、茄子、トマト、ゴーヤなど果実野菜の苗の植え付け時であり、隠元豆や枝豆の蒔き時でもある。広い菜園があれば、里芋、サツマイモなどを植えてもいい。
 一方、この時期は雑草が勢いよく伸びる。さらに、害虫が暴れ始める。毒蛾、茶毒蛾、イラガ、アメリカシロヒトリなどの毛虫(幼虫)が次々に出現し、大切にしていた植木や草花を見るも無惨に食い荒らす。腕や首筋に毒針がついたのを知らずに掻いて、身体中赤く腫れ、痛痒くて七転八倒の思いをしたりする。
 もっとも、この時期一番大事なのは水遣りである。立夏ともなると枝葉を茂らせるために盛んに水を欲しがる。ましてや鉢植えの場合は大変だ。一日水遣りを忘れただけでおかしくなってしまう。というわけで朝晩これでもかと水を撒く。だが、水遣りは遣る方の心の慰めにもなる。(水)

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