谷に落ち谷より上がる花吹雪 徳永 正裕
『英尾先生墓参・滝山城址吟行』
日経俳句会創設者故村田英尾先生の眠る八王子霊園へ、毎年花の咲く時期に俳句仲間うち連れて参り、近くを吟行している。今年は後北条の一族北条氏照の居城だった滝山城址に出かけた。これはその吟行句会で最高点を得た句である。以下は寄せられたコメント。
白山 谷あり掘あり難攻不落の山城と花吹雪の風情を良く表現している。
てる夫 「谷に落ち谷より上がる」とは見事な修辞だ。
冷峰 もう言うところのない完璧な句。
智宥 あの五千本桜の中心は谷底。折からの風で花が舞う風情を見事に表現している。滝山城の桜は背が高かったから吹雪にも落差があった。
二堂 花が谷に降る、そして吹雪のように風に乗った花が、また谷から吹き上がる。花吹雪の様子が実感できる。
とまあ絶賛花吹雪のように舞った。滝山城は北側が断崖で眼下に多摩川が流れ、南側には八王子のなだらかな丘陵地帯と田園風景が広がる。山の斜面、谷間の5千本のソメイヨシノやヤマザクラが、まさに桜花爛漫だった。(水)
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