庭先の色戻りたる二月かな 星川 佳子
『合評会から』(日経俳句会)
実千代 色のない庭に少しずつ色が出てくる、春の兆しが表れています。
二堂 二月になると梅も咲き沈丁花も、と庭は色とりどりに。ちょっとした驚きの気分。
双歩 茶色から緑になっていく雰囲気が伝わってくる。
青水 立春過ぎの寒の極まる日と半袖で陽光を楽しむ日が交錯する二月の様子をうまく詠んでいる。
昌魚 素直に早春の庭先を詠んでいます。「色戻りたる」がいいですね。
明男 色々な花が咲き始めたのを「色戻りたる」と詠んだのがいい。
正 冬のモノトーンがカラーの世界に。小ぶりながらも心和ませる花である。
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黒褐色に固まっていた地面にぽちっと緑が見え、日に日に大きくなる。「下萌」である。寒を生き延びた雑草も茶色っぽい葉が緑を増して来る。春の甦りを素直にうたっている。(水)
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