時雨忌を日がな一日川を見て      横井 定利

時雨忌を日がな一日川を見て      横井 定利

『合評会から』(日経俳句界)

悌志郎 天気がいいので時雨忌(芭蕉忌)の日がな一日、流れる川を見て句を作ろうとしているのでしょう。俳句に打ちこんでいる姿が芭蕉忌に相応しい。
二堂 私も海や川を見るのが好きですが、ここまで見ていられる人はうらやましい(笑い)。
反平 「日がな一日」は大げさだけど、俳句を作ろうとして、こういうこともあるなぁ、と思った。
而云 芭蕉忌への思いが感じられます。「を」を二つ重ねているのが気になったが。
青水(欠席選句評) この句を見ていると、そんなこともあるまいと思いつつも、季語に思いを寄せてしまう。巧者の手腕を感じます。
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 句会の兼題に「芭蕉忌(時雨忌)」のような季語が出ると、経験の少ない人は困惑するらしい。「芭蕉」という大きな存在を意識し過ぎ、難しく考えてしまうのだ。句会でこの句を見て、気づく。「なるほど、この句の中にも芭蕉が入っているのか・・・」。するともう、次は「糸瓜忌」(子規忌)に挑戦するぞ、なんて考えている。(恂)

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