天高く速き疏水の南禅寺        鈴木 好夫

天高く速き疏水の南禅寺        鈴木 好夫

『合評会から』(日経俳句会)

冷峰 南禅寺の疎水を見たことがあるが、流れは速い。いい所を見つけたと思います。ただ南禅寺を通るのは、レンガ造りの高い所の水道橋ですから、あの流れをどこで見たのか気になりました。
而云 境内の高い所を通っているが、上って行けるのでしょう。水は速くて、「天高し」に対応して面白い。
正裕 そうですね。レンガのアーチの所、確かに疏水の脇にまで上っていけますね。速く流れていて、けっこう高い所に上がるから、「天高し」に合っているなと思いました。
啓明 この句、声に出して読むと格好いいですね。
好夫(作者) 京都に見たいものがあって、九月に行きました。南禅寺のレンガのアーチは、水路閣というのですが、実に速い流れで、あれを作った明治の人はすごいと思いました。
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 句の疏水は琵琶湖の水を京都にまで運ぶための「琵琶湖疏水」。明治の中期から末期までの二回の工事で完成させた。水道用ではあるが、日本初の水力発電所も疏水につくられた。確かに「明治の人はすごい」。(恂)

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