秋晴れの何処かふるさと置き忘れ      河村有弘

秋晴れの何処かふるさと置き忘れ      河村 有弘

『合評会から』三四郎句会

久敬 しみじみとした句です。故郷をどこか置き忘れ――。作者は別のことを考えていて、ふと故郷のことを忘れていることに気づいて、感慨にふけっているのでしょう。
論 最初は、どういう意味かと思ったが・・・。秋空が余りにも澄み過ぎて、心に沁みて、ふと故郷を忘れていた、ということでしょうか。
崇 中七以下に現代人のアンニュイが感じられます。
進 何だかこの句には惹かれました。はっきりしないんですが、子供の頃を思い出しているのかな。
恂之介 「置き忘れ」は、長く帰っていない、という意味にとりました。「何処か」という言葉があるのて、ちょっと分かりにくくなっているのかな。。
有弘(作者) 望郷の念ですね。「ふるさと」は仮名書きの方が分かり易いと思いました。
            ※            *
 「ふるさとは遠きにありて思ふもの」ほどではない。うっかり忘れていた、くらいの感じがする。(恂)

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