さわやかや白煙うすき登窯     須藤 光迷

さわやかや白煙うすき登窯     須藤 光迷

『合評会から』(番町喜楽会)

而云 何と言っても「白煙うすき」がいい。陶磁器を焼く時、初め、中頃、終わりの頃と煙の色が違うのではないか。作業がある程度、進んだという気持のゆとりが感じられる。
大虫 煙の後ろは青空なのでしょう。だからうっすらとした煙も見える。爽やかですね。
正裕 焼物の出来上がりが近いのだと思います。そんな雰囲気ですね。
てる夫 どんどん薪をくべている時ではないはずだ。終わりの方の薄い白煙に着目したところがいい。
光迷(作者)登窯は火を入れてから二晩三日かけて焼くんです。二晩を越すと煙が透明になってきましてね、空の様子や背景の山なんかも目に入るようになります。
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 聞くところによると、窯場の人々は木をくべて理想の温度を保つために、血まなこ、不眠不休の時間を過ごすのだという。登り窯を焚き続けて二晩を越したような時は疲れの極みであるはずだが、「よし、うまくいった」という思いも生れているのだろう。大仕事を終えた人、その風景を見た人、それぞれに異なる爽やかさがある。(恂)

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