鳳仙花ネイルアートのいま昔     田村 豊生

鳳仙花ネイルアートのいま昔     田村 豊生

『季のことば』

 鳳仙花と聞くと、何となく懐かしい感じがする。かつては庭の隅などによく咲いていた。花の終わり頃になると、少し触っただけで種がポンと飛び出してきた。次の年、その種から芽が出て、花を咲かせるのだ。園芸種のはずだが、改良はあまり加えられていないようで、野生種の感じも残っている。
 その鳳仙花がネイルアートとは? 調べて見たら「爪紅」「染指草」などの別名があるという。「紅色の花を絞って女児の爪を染めた」などの説明もあった。「そうだったのか」と納得した昔の少年は、庭にゴザを敷いた少女たちのオママゴトを、遠くから離れて眺めていたことなどを思い出していた。
 ネイルアートは世界的、歴史的なものだそうである。古代エジプトの女性のミイラに爪を染めていた例もあるという。そして今・・・。色を塗るだけでなく星、花、ハートなどが散りばめられていて、まさに百花斉放。鳳仙花を眺めてネイルアートの今昔を思う。なるほど、いい句だ、と思うようになった。(恂)

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