日本橋ふと潮匂ふ梅雨入りかな     大倉悌志郎

日本橋ふと潮匂ふ梅雨入りかな     大倉悌志郎

『合評会から』(日経合同俳句会)

大虫 梅雨入りの頃は匂いに敏感になります。あの川が海に繋がっている、という感じもよく分かります。
守 私も時々、この句と同じような感じを受けます。日常の風景ですが、リアリティがあります。
弥生 日本橋という地名で実感が生まれました。昔、河岸があった、という雰囲気も感じられます。
智宥 あのあたりは、匂い、というより臭いと言いたいが、この句は確かに梅雨入りの雰囲気だ。
恂之介 日本橋と潮匂う。なるほど、これぞ梅雨入り、と思いました。
水牛 日本橋は明治の初めまで埋め立てて、魚河岸を作った。今でも日本橋を渡ると、ああ海なんだなぁ、と思うことがある。梅雨の頃は空気が重々しくなって、ちょうどこの句のような感じですね。
悌志郎(作者) この前、日本橋に行った時、ちょうど上げ潮時でした。
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 日本橋に河岸があったことも、海から遠くないことも知っていた。あの辺りを通る時、川の発する匂いを感じたこともあるが、潮の匂いだとは気づかなかった。我が感受性、一歩及ばず、である。(恂)

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