畦塗りのみな整ひて水走る   高井 百子

畦塗りのみな整ひて水走る     高井 百子

『合評会から』(酔吟会)

水馬 畦塗が終わり、これから田植えに入る喜びが出ている。
春陽子 こうした風景見ると、日本の農業、米作りは大丈夫ではないかと思う。
反平 田舎に行くとまだこうした光景があるんだなあ。「みな整ひて」の言葉がいい。
詠悟 私は経験者だ。出来上がると疲れが取れるような気分になった。後は田植えを待つばかりというわけでホッとするのだ。
正裕 私が住んでいる佐倉では機械で畦作りしている。俳句らしい句で、懐かしく、しかもきれいな句だ。
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 晩春から立夏あたりの田園風景を活写している。正裕さんが言うように、今日では畦作りも機械で行い、昔のように鍬の背を上手く使ってぺたぺたと畦塗りをするようなことはほとんど無くなっているようだが、それでも出来上がった景色は変わらない。黒々とした畦道が縦横に通じ、その脇の用水路には勢いよく水が走り、田の面は鏡のように雲を映す。万物躍動の夏がやって来る。(水)

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