老楽や今日も元気だ夏日の出   大石 柏人

老楽や今日も元気だ夏日の出   大石 柏人

『この一句』

 端から眺めていて、これほど素晴らしき老後を過ごしている人も珍しい。朝は4時に起き、顔を洗い身支度をして茶を喫し、机に向かって好きな書道をする。古代中国の書聖の書や日本の名筆を臨書したり、気の赴くまま好きな詩文を書いたりする。
 その後、近くの公園に行き6時半、近隣の老若男女を集めたラジオ体操を行う。参加者一人一人が差し出すカードに自作の「今日も元気だ」印のスタンプを捺す。家に帰って朝食。そして近くの交差点に行き、旗を持って小学生を誘導する緑のオジイサン。これでもう日課は終わったようなもので、後はメール交信したり、手紙を書いたり、団地の句会があれば出かけるし、なければ昼寝をしたり・・・。夕方になれば一風呂浴びて、奥さん相手に冷や奴などで燗酒を二合。そのうちに眠気を催して9時には寝てしまう。まさに「老楽」とはこのこと也と思わされる。
 原句は「老楽や今日も元気だ日が昇る」であった。心境をストレートに詠んだ心地良さが伝わっては来るが、如何せん季語が無い。句意を損なわぬように気をつけて「夏日の出」と付けてみた。(水)

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