のどかさや亀行列の甲羅干し   片野 涸魚

のどかさや亀行列の甲羅干し    片野 涸魚

『合評会から』(双牛舎俳句大会)

昌魚 池の端で亀が並んで甲羅干しをしている実景が浮かんできます。長閑さを上手く表しています。
臣弘 ユーモラス。六義園の蓬莱島に大亀子亀がのんびり甲羅干ししているのか。亀も眠いが、見ている方がもっと眠くなる。
万歩 日当たりの良い石に亀が並んで甲羅干し。思わず笑いを誘う俳味。
睦子 春の陽射しをいっぱいに浴びて、池の岩場に「行列」するさまは正しく長閑です。
          *     *     *
 現代俳句界には、諧謔の句を敬遠し「まともな句」「まじめな句」でないと受け入れない空気がある。駄洒落や笑わせようと拵えた句などは排斥されて当然なのだが、素直に実景を写して、しかも思わずにやりとするような句、ほのぼのとした気分になれる句がもっとたくさん詠まれてもいいように思う。さしづめこの句などは好例である。まさに春のそよ風に吹かれているような感じである。(水)

この記事へのコメント