囀りや集団下校女学生      大熊 万歩

囀りや集団下校女学生      大熊 万歩

『季のことば』

 この句を見て不思議な感じに捉われた。女の子たちの声が聞こえてこないのだ。理由の第一は「集団下校」にあるのだろう。学校側が何かの理由で、そのように指導したのだと私は受け取ってしまった。小鳥の囀る森沿いの道を、女の子たちが押し黙って歩いていく、という風景が浮かんできたのである。
 かなり以前、句友の作った句に「囀るやピーチクパーチク下校の子」というのがあった。囀りの聞こえる中、下校する子供たちの声が囀るように響いている、というのだ。後に別の句会でも同じ趣旨の句に出会っていた。「囀」の句の一つのタイプのようだが、掲句は同類ではないような気がする。
 「女学生」という語も気になった。「学生」は普通、大学生のこと。女子中高生にも用いているが、少なくとも小学生の感じはしない。もしかしたら、これは女子大生なのか。ある女子大でストーカー事件が発生して・・・。作者は俳句の相当な作り手だから、現代社会を風刺したのかもしれない。考え過ぎだろうか。(恂)

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