立春に箒の先も弾みけり       宇佐美 論

立春に箒の先も弾みけり       宇佐美 論

『合評会から』(三四郎句会)

尚弘 箒の先とは細かいところに目をつけたものだ。竹ぼうきでしょうか、その先が撓って、ぴんぴんと弾んでいるんですね。春が来たという喜びが感じられます。
照芳 全く同じです――。(司会者 それだけですか)。そうです(笑い)。
賢一 私も同じですが(笑い)。箒の先が弾む、に尽きています。
信 私は少し長く話します(笑い)。やっと冬が去って、庭の掃除をしようと思い立ったんですね。地面を掃いたら箒の先が弾んでいたのですが、それ以前に自分の心が弾んでいたんですよ。
崇 同感です。この句には作者の気持ちの省略があります。私の心も、箒の先も、なんですね。箒の先に目が届いた時、「弾んでいる」と感じるような心のありよう、と言ってもいいかな。
               *           *
 俳句では「箒の先も」のような「も」は、なるべく使わない方がいい、と言われる。しかしこの句の場合、二人の選者が言うように「私の心も」が省略されている。「も」の必要な句、と言えるのだろう。(恂)

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