潮騒の御用邸より初音かな   田中 白山

潮騒の御用邸より初音かな   田中 白山

『合評会から』(番町喜楽会)

厳水 潮騒、御用邸、初音の組み合わせがとてもいい。いかにも春らしい気分。
春陽子 すぐそばの御用邸から鶯の初音、離れたところからの潮騒。立体感というか、広い空間をとって詠んだところがいい。
正裕 御用邸などというものが俳句に現れるのはめずらしく、この言葉を持って来たのが良かったですね。
てる夫 葉山御用邸の海岸べりを散策をたのしんだんですね。潮騒に乗って鶯の声、いいですねえ。
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 句会で圧倒的な支持を得た句。「いかにも春らしい気分」という評が全てを語っているようだ。一方で、「潮騒と初音と、『音』を二つ重ねたところがいかがなものか」という論難があった。互いに殺し合ってしまうというのだ。ただしその論者も「潮騒の御用邸という措辞はいいなあ」と言う。「まあ、潮騒の合間に鶯の声が聞こえて来るんでしょう」ということで一件落着。(水)

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