古暦余白のメモを読み返し   宇佐美 諭

古暦余白のメモを読み返し   宇佐美 論

『合評会から』(三四郎句会)

有弘 過ぎた日を思っているのだから、年をとった人ですか。
恂之介 そうとは限らない。一年間の暦が残っているわけではないけれど、十二月の暦としてもいい。こういうことがあった、と振り返っているんですね。
崇 作者の生活の一コマと言っていいでしょう。
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 年の暮れ、今年のカレンダーの後ろに来年のを掛ける。その途端に、まだ使っている今年のカレンダーは「古暦」と呼ばれるようになる。これが俳句の世界での約束事になっている。新年に思いを馳せながら、ああ今年も終わりだなあという感慨を抱くよすがとなるのが「古暦」という季語。
 月ごとのカレンダー、あるいは卓上の日めくり暦。十二月末になって新しいのを据えた時に、古い暦のあちこちに書かれたメモに目が止まる。ああこの月にはこんなことがあったか、あの旅行は楽しかったな等々一年が走馬燈のように回る。(水)

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