陽を残す秩父連山冬隣   久保田 操

陽を残す秩父連山冬隣   久保田 操

『合評会から』(秩父長瀞吟行句会)

臣弘 秩父吟行の素晴らしさを絵に描いたような句です。晴れた秩父の連山に弱い陽があたり、やがて来る冬に身構える。良く出来ているなと思います。
春陽子 目の前の風景をスパッと切り取ったのが素晴らしい。もう小半時もすれば秩父の山は暮れる、そんな時間まで感じさせてくれます。季語の冬隣が絶妙。
綾子 三十四番の水潜寺を出て仰いだ景色を思い出します。
光迷 結願寺の坂道か下の橋の辺りでしょうか、あるいは宿へ向かう車中からでしょうか、心に残る光景でした。虚子の「遠山に…」を思い浮かべたりして。
てる夫 秋天の秩父の一日の終わりの気分を余さず詠んでいます。季語もぴったり。
       *     *     *
 昨日の句と並んで最高点を得た句である。見たままを十七文字に写しただけという印象を受けるかも知れないが、みんなが述べているように、もう数日で立冬という秩父の山間の夕暮れの雰囲気を遺憾なく表している。(水)

この記事へのコメント