もう少し生きてみますと墓参    大倉悌志郎

もう少し生きてみますと墓参    大倉悌志郎

『合評会から』(日経俳句会)

光迷 亡くなった父母に「もうしばらくこの世にいることにします」と報告しているのですね。私は作者の前向きの気持ちを感じて、素直に「いいな」と思いました。
智宥 映画のラストシーンのようだ。墓前で実際にこう報告したのか。作ったのかな、という気もしますが。
反平 墓参りに行って、亡き父母に「やすらかにお休み下さい。私はもう少し、生きてみます」と語りかけている。これは正直な心情でしょう。私はいつも、この句のようにお参りしています。
大虫 父母や祖父母への気持ちがにじみ出ている。この人、体調はそれほど悪くない、という感じですね。
悌志郎(作者) この句、かみさんに見せたら、「ちょっとふざけている」と言われたが・・・。
反平ほか数人 いや、これは真面目な句でしょう。
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 彼岸に墓参りして、亡き父母などと親しく会話を交わすのは、日本特有の風景と言えるだろう。「墓参」の兼題が出た日経句会では、先週の一句を含め、実にさまざまな墓参りの「心」や様子が登場した。(恂)
※今週の「みんなの俳句」は、墓参の句ばかりを紹介することにする。

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