にわか雨柿の花寄せ流し去る     印南 進

にわか雨柿の花寄せ流し去る     印南 進

『この一句』

 あたり一面に散らばっている柿の花を、にわか雨がまとめて溝などに流し去った、という情景である。小さくて、たくさん落ちていて、ぷかぷかとよく水に浮く柿の花の特性を捉えており、面白い句だと思うが、合評会では異論も出た。「寄せ流し去る」という動詞の使い方が気に入らない、というのだ。
 言われてみればその通り。句の意味はよく分かるのだが、調子がしっくりこない、ということだ。「柿の花」は五音である。下五の「流し去る」との間に二音しか入らない。「寄せ」を「寄せて」「集めて」など、字余りにしたら、という案が出たが、どれもリズムが悪くなってしまう。
 「柿の花」が手詰まりの原因なのだ。例えば「落葉を寄せて」「花びら集め」なら上手く行きそうだが、兼題が「柿の花」なのだから、どうにもならない。こういう時は「柿の花」を上五か「下五」に置くといい、という案が出たところで時間切れ。後日の勉強会で、いい答えが出てくるだろうか。(恂)

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