夏初め箱根路巡る路線バス   久保田 操

夏初め箱根路巡る路線バス   久保田 操

『この一句』

 秋の紅葉となると日光いろは坂に人気第一の座を譲るが、初夏のバスの旅となれば箱根路が断然一番であろう。箱根一帯の青葉若葉は実に素晴らしい。目が洗われるようだ。
 これは団体の観光バス旅行ではなく、路線バスで箱根山のあちこちを回っている。一人でか、家族連れか、親しい友人達小人数の旅か。とにかく時間を気にせず、気ままに散歩しては、やって来たバスに乗って次のポイントに行く。かなり旅慣れた感じで、しかも箱根を十分に知っている様子が伝わって来る。
 東海道線か小田急線で来て、小田原から箱根登山鉄道に乗る。そこから一気に終点の強羅まで登ってしまってもいいが、湯本や宮ノ下で降りて、路線バスを利用しながら名所旧跡を訪ねたり、温泉巡りしたりするのも楽しい。五月は新緑の中のツツジ、サツキ、六月は名物のアジサイが目を楽しませてくれる。
 そんなのんびりした気分がほんわり伝わって来る佳句である。(水)

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