ミャンマーは寺院の中や夾竹桃      井上 啓一

ミャンマーは寺院の中や夾竹桃     井上 啓一

『この一句』

 ミャンマーと聞いて「ああ、ビルマね」と応ずるくらいだから、私のこの国に関する知識はお粗末なものだ。すぐに頭に浮かぶのはアウン・サン・スーチーさんくらいのものである。パゴダは? と聞かれれば「そう、そう、あの仏塔ね」なんて答えるが、あれはお寺なのかな、と考える始末だ。
 だからこそ、なのだろう、この句を見たとたんミャンマーという国の様子が、一気に頭の中に膨らんできた。普通なら「国中、寺院ばかり」と表現するところだが、「国が寺院の中にある」のだという。ちょっと調べて、国民の十三%が仏教の僧侶と知ったが、そんな説明より、ずっとインパクトがある。
 決め手は夾竹桃だ。インド原産だからミャンマーに咲いていて当然だが、日本でもおなじみだから、この花が点在する風景がすぐに浮かんでくる。花の色は白もピンクもある。しかしミャンマーの夾竹桃はすべて真紅に違いない。ミャンマーをよく知らないから、そんな想像が可能なのである。(恂)

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