黄海に沈む若者初夏の難        藤村 詠悟

黄海に沈む若者初夏の難        藤村 詠悟

『合評会から』(酔吟会)

臣弘 誰にとっても痛切な事件です。あの悲劇を思えば、この句は選ばざるを得ない。後々まで忘れないように、という気持ちになりました。
正裕 大勢の若者の犠牲はインパクトがあります。彼らの心を思うと本当に心が痛む。
恂之介 ジャーナリストの多い句会でもありますから、会の記録に留めたい句ですね。事故の発生は春だったが、犠牲者がいまなお船内に残っている。「初夏の難」は頷けます。
水牛 未来のある若者たちだから、いかにも可哀そうだ。「黄海に沈む若者」という直接的な詠み方に、言葉もない。それに比べて、あの船長は・・・、なんたることだろう
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 わが身を省みず、乗客の命を救おうとして亡くなった三人の若い乗務員が、韓国政府から「義死者」に認定されたという。船内に取り残され、命を失ったなった高校生らとともに、「生きていたら、韓国の将来を担ったのでは」と思わざるを得ない。「無念」の気持ちに国境はない。(恂)

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