高尾山スカイツリーの遠霞   堤 てる夫

高尾山スカイツリーの遠霞   堤 てる夫

『この一句』

 日経俳句会春の恒例行事「村田英尾先生のお墓参りと桜吟行」。八王子霊園に眠る日経俳句会創設者英尾先生を訪ねた後、近くの森林科学園桜保存林の花を愛でる。公式行事を終えて、一行中の“帰りたくない”四人組が高尾山に足を伸ばした。
 草臥れた足をなだめすかして出かけた甲斐があった。お山は花真っ盛り、急斜面にはシャクナゲや山ツツジが満開だった。人気急上昇の高尾山だけに、肌の色さまざまな人達が入り混じり、外国語が賑やかに飛び交う。3時過ぎという中途半端な時間なのにケーブルカーは満員。山頂展望台の望遠鏡にも人だかり。誰かが「スカイツリーが見える」と言う。
 とにかく北東から南の方向は遮るものが無く、素晴らしい眺めだ。新宿副都心が空中楼閣のように漂い、そのずっと先にスカイツリーがある。衰えた目で懸命に見つめると、マッチ棒のような物が霞を透かして浮かび上がる。果たしてあれがそうなのか定かではないが、勝手にそうだと思い込む。なんとものんびりした雰囲気である。(水)

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