耕して土と阿吽の呼吸かな   水口 弥生

耕して土と阿吽の呼吸かな   水口 弥生

『合評会から』(日経俳句会)

正市 土を起こしていると、肥料をどうするとか、なにを植えるとか土との対話がいろいろ生まれてくる。その様子を阿吽の呼吸と言ったのか、とにかく耕しの雰囲気をうまく描いている。
臣弘 人と自然が対話して、土が答える。白い息が見えるような明るい感じがする。ミレーのような暗い感じがしない。
昌魚 阿吽の呼吸ですから、これは対話ではなくて耕すリズムじゃないのかな。耕す人の腕がいいんでしょう、リズムの良い耕しの様子が伝わってきます。
冷峰 耕す人がこの辺でもういいかと思っても、土の方はもう少し耕してくれよ、と言っているかもしれない。土は何も言わないから、耕す側が阿吽の呼吸で対応すると言うことになる。
          *     *     *
 日頃農業とは縁遠い人たちにとって「耕」は難しい兼題だった。中には見当外れもあれば、理屈に合わないものも出て来た。そうした中でこの句は極めて真っ当である。「耕」の本意をついている。日曜園芸の賜物か。(水)

この記事へのコメント