空っ風居留守決め込む弁財天   高井 百子

空っ風居留守決め込む弁財天   高井 百子

『合評会から』(新春七福神吟行会)

智宥 やっと辿りついた七福神第七番、弁天様のお寺は素っ気なかった。「お宝?あるけどアンタらには見せてやらん」。まさに空っ風。七福神巡りを売り物にしておいて、なんだその態度は、と川越市役所に怒鳴りこみたいところだが、この作者は大人。「居留守」とさらり流してこの場を納めている。私などこの域に達するのはいつのことやら。
弥生 見られなかった残念な気持ちがユーモアたっぷりに表現されています。
てる夫 坊さんもいろいろ、なんですな。
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 「川越七福神」は地元全体で盛り上げようとの熱意が感じられる。寺はコンクリ造が多くて風情に乏しく、七福神そのものも取り立てて由緒ある像は無いが、ルートマップは完備、川越らしく最初のお寺には焼芋屋がちゃんと出ている凝りようだ。全長6.5kmと歩き出がある。ようやくゴールに辿り着いたら、国宝級の弁天像なので出すわけにはいかないと、版画が貼ってあるだけ。なんともけち臭く、折角の良い気分が損なわれた。しかし皆さん指摘のごとく、この句はさらり、ちくりと上品にからかったところがいい。(水)

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