人住めぬ地を棄てし子や七五三   徳永 正裕

人住めぬ地を棄てし子や七五三   徳永 正裕

『合評会から』(日経俳句会)

オブラダ 「人住めぬ」は福島のことですね。住めないのに「棄てし」はちょっとキツいけど。
十三妹 「七五三」の句は大体、ホンワカか、爽やかなのですが、この時代にそういうムードの句ばかりでいいのかと…。そうでない句があったら採ろうと決めていました。
光久 時事句を超えた一句。捨てたではなく「棄てた」というところに、日本近代化以降に続く「棄民」の流れを鋭くつかんでいる。近代化とは家を棄て故郷を棄てることなんですね。
反平 同情を誘う時事句。うまいところに目をつけた。
操 東日本の震災によって起きた悲劇が七五三の祝いに哀しさと影を落としています。
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 はずかしながら、合評会のコメントを聞いて、そうだったのか、と気づいた。それまでは何となく迫力のある句だ、とは思っていたが、詠まれた状況をつかみかねていた。少々、負け惜しみを言わせて頂くことにする。福島のことでなくても、いい句だと思う。(恂)

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