秋闌けて狂言鼓の高調子         大沢 反平

秋闌けて狂言鼓の高調子         大沢 反平

『この一句』

 狂言は数回見ただけで、面白いものだ、と思ってはいるが、詳しく知らない。鼓のことも「チチポポと鼓打たうよ花月夜」(松本たかし)を思い出すくらいのものだ。調べてみたら、大鼓、小鼓があって、普通「鼓」と言えば小鼓を指すそうだが、この句の狂言鼓がどちらかなのかも分からない。
 ただ鼓の高い音は耳に残っている。能か狂言か、他の芸能か、どこで聞いたのかも分からないが、「カーン」という音が、頭のてっぺんに響いた記憶がある。その時の印象から、「秋闌(た)けて」でいいのかな? と思った。句会の合評会では「初秋の方が相応しいのではないか」などと意見を述べた。
 作者によれば、狂言を習う友人の舞台を見に行った時の作で、「初めは“秋立つや”にしようかと思った」そうである。「その方がいいよ」などと話したが、残暑がようやく終わったと思われる今朝(十三日)、考えが変わった。「秋闌けて」も悪くない。それで急きょ本欄に登場頂いたわけである。(恂)

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