名月は足場のなかを上りけり   三好 六甫

名月は足場のなかを上りけり   三好 六甫

『合評会から』(番町喜楽会)

厳水 こないだこういう情景を見ました。月が上がってきたんですよ、「足場のなかを」。いかにも今日的な月見風景だなと思いました。それを実にうまく詠んでいます。
春陽子 足場なんていう俗っぽいものを持ってきて「名月」を詠んだところが素晴らしいなと思います。
而雲 ほんとに面白い場面を詠みましたね。
水馬 消費税引き上げの前にやってしまおうというので、最近はあちこち足場だらけですよね。だから今年の句という点でも面白いですね。
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 そうなんだ、これは時事句でもあるのだと思ったら、面白さがさらに増した。一戸建てでも屋根の防水シートの張り替えと外壁塗装工事をやるとすぐに三、四百万円かかってしまう。消費税の3%増税分だけでもかなり大きい。ましてやマンションともなれば大変な金額だ。かくして今年は、この句の作者をはじめ、工事やぐら越しの月見という人がずいぶんあったようである。(水)

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