オモニへと書き遺されし知覧の忌        河村 有弘

オモニへと書き遺されし知覧の忌        河村 有弘

『合評会』(三四郎句会から)

恂之介 「オモニ」って、韓国語の「お母さん」ですね。
賢一 そうでしたか。知らなかった。いま聞こうと思っていたところだった。
有弘(作者) 知覧の特攻平和会館(鹿児島)に行くと、特攻隊員の写真や遺品がありましてね。その中で最も印象深かったのが「オモニ」への遺書だった。
恂之介 特攻隊員には一定のイメージを抱いていたけれど、朝鮮半島系の人もいたのですね。そういう面を伝えたという意味も含め、これは非常に重い句だと思う。
有弘 写真の表情に空しさが浮かんでいた、という記憶があります。
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 「知覧の忌」は一般的な季語とは言えない。しかしこの句の場合、「終戦日」「敗戦忌」などと取り替えにくいし、別の季語を入れるのも難しそうだ。作者それらのことを考えた上で、敢えて「知覧の忌」にしたという。この句に限ってでもいいから、季語と認めたい、と私は思っている。(恂)

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