夏めくや風のことばに木のことば   佐々木 碩

夏めくや風のことばに木のことば   佐々木 碩

『合評会から』(日経俳句会)

万歩 新緑のところに出ると、風とか木がしゃべる童話のような感じがします。夏でなくても秋でもいいかなという気もしますが、やはり夏が一番かな。
光迷 夏でも春でもいいな。イメージ的には「夏めくや」が一番合うようだ。
弥生 私は初夏がいい。風の感じが違う。自然の中に入ると風や木がしゃべっているのが分かる。
正市 「風のことばに木のことば」はなかなか出てこない。言葉のリフレインと飛躍は本格詩人の感じがする。
庄一郎 風からも木からも夏めく感触が受け取れる、微妙な表現。
明男 風のそよぎ、木の葉のこすれる音を、「ことば」ととらえている点に、作者の感受性の豊かさを感じました。
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 「秋めくや」でも合うように思った。秋風こそ人の心を揺さぶり、木の葉の様子も物思いを誘うからである。合評会でもこうした「季が動く」点に意見が飛び交ったが、やはり「夏めく」がいいということに落ち着いた。(水)

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