春深し電車が地下に消えし街   杉山 智宥

春深し電車が地下に消えし街   杉山 智宥

『この一句』

 3月16日には東急東横線が東京メトロ副都心線に乗り入れ、地上2階にあった渋谷駅が無くなった。その1週後の23日は小田急線の代々木上原から梅ヶ丘までが地下に潜った。
 地上の駅が無くなってしまうと町の様子が大きく変わる。横浜方面から東横線で渋谷へ出て山手線や地下鉄銀座線に乗り換えていた人たちの多くが、そのまま新宿、池袋方面へ乗って行ったり、地下連絡路を通って半蔵門線に行き、地上に出て来なくなった。下北沢の場合はもっと影響が大きく、小田急下北沢駅が地下駅になってしまったおかげで地上の商店街にまで出て来る人が激減したという。
 「電車が路上から見えなくなるのは寂しいものです。タイムリーな句で、かつ『春深し』が『地下深く』と通じているように思えて心憎いです」(綾子)という評が寄せられたが、さて若者の街下北や渋谷はこれからどう変わって行くのだろうか。面白い時事句が生まれた。(水)

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