一湾の風に骨透く干鰈   佐々木 碩

一湾の風に骨透く干鰈   佐々木 碩

『合評会から』(日経俳句会)

博明 あんまり奇麗すぎてどうかなと思ったけど、やはりいいですね。
光迷 この季節の干鰈は旨いから単純に食い意地で採りました。
てる夫 「一湾の風」の厳しさが干鰈を通じて伝わってくる。
十三妹 浜辺に射した陽光と潮の香りが心を満たしてくれるようです。
反平 「一湾の風」と言ったのがいいのかな。
恂之介 いや「一湾」は効いていない。陸奥湾とか、みちのくとか固有名詞を入れたほうがいいんじゃないかな。
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 早春から仲春にかけて各地で干鰈作りが盛んに行われる。若狭のが美味いとか、瀬戸内から九州のものがいいなどと、ご当所自慢が始まるのだが、余寒のやや冷たい風と日和に恵まれたものなら何処産であろうが旨い。
 干鰈の骨が透くというのは言い古されたことで、類句累々なのだが、飽きることなく詠み継がれ、句会では常に人気を呼ぶ。やはりこれもまた日本人の心の中にある春の浜辺の原風景なのだろう。(水)

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