しばらくは雪積む貨車と並走し   大下 綾子

しばらくは雪積む貨車と並走し   大下 綾子

『合評会から』(日経俳句会)

定利 雪を積んだ貨車というのがいい。特急じゃつまんない。
万歩 東京の人は雪が降れば嬉しいんですよね。次の日は晴れて、屋根に雪を載せた貨物列車を見た。なんとなくウキウキした気分を詠っている。
恂之介 車と電車か貨車が並んで走っている。「ああ、貨車に雪が積もっている」。それが抜きつ抜かれつみたいな。つまらなそうなことだけど、それがいい題材になるのだから面白い。
佳子 雪を載せた貨車を見て冬がどっかに来ていると感じたんですね。
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 貨物列車は石油を大量消費するトラックより、環境に及ぼす影響が少ないと見直され始めたようだ。ただ首都圏では旅客鉄道優先だから、夜中から早朝に都心に入って来るものに限られるようになった。早朝、貨物線と平行した道路を車で走っていたら、コンテナの屋根に雪をびっしり乗せて走って来た貨物列車に出くわしたのだろう。駅ごとに止まる電車と違って貨物列車は意外に速い。「あら抜かれちゃったわ」なんて笑っている。(水)

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