なみなみとお屠蘇代りの大吟醸   堤 てる夫

なみなみとお屠蘇代りの大吟醸   堤 てる夫

『合評会から』(番町喜楽会)

百子 実家は古い家でしたから屠蘇道具もちゃんとしていて、それに慣れ親しんでいましたが、その後外国暮らしや子育てで、お屠蘇から離れてしまいました。最近、形ばかりお屠蘇をやるようにしたのですが、息子たちはこっちの方がいいやといきなり大吟醸。そういう感じがよく出た句だなと思います。
春陽子 うちは父方も母方も酒飲まない家系で、こういう道具とも疎遠でした。私だけが飲むようになっちゃいましたが、やはり屠蘇よりは酒という気分です。しかもこれは大吟醸をなみなみとですもんね。正月らしくて景気がいい。
正裕 今どきの家族風景ですね。お屠蘇はいいや大吟醸で、という気分。
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 確かに立派な屠蘇道具を飾って、家族全員かしこまってまず一献。「おめでとうございます」と挨拶して雑煮を祝う、といった家は少なくなっているだろう。それにあの屠蘇という一種のリキュールは、新年気分を醸し出しはするが、あまり美味いというものではない。やはり大吟醸に手が伸びる。(水)

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