日の当る地を這ふごとく冬の蝶   田中 白山

日の当る地を這ふごとく冬の蝶   田中 白山

『合評会から』(番町喜楽会)

厳水 ゴルフ場の日の当たる斜面をよたよた飛んでいる冬の蝶を見たことがあります。この句を見たときにすぐその光景を思い出しました。
冷峰 「地を這ふごとく」が冬の蝶にぴったりしている。墜落してしまいそうな感じで、ふわふわ辛うじて飛んでいる冬の蝶をうまく詠んでいます。
啓一 「日の当たる地」と「地を這ふごとく」と、両方にまたがっているんですよね。面白い詠み方で、しかも地面すれすれにようやく飛んでいる冬蝶の様子を描いて、いい句だと思います。
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 たまのぽかぽか陽気に冬の蝶が飛んでいるのを見ることがある。蝶は十二月、寒さ厳しくなると大概は死んでしまうのだが、落葉の下などに潜って翌春までしぶとく生き残る越年蝶もいる。春が来たと早合点してそういうのが飛び出したのか、あるいは命数尽きる寸前、最後の力を振り絞って飛んでいるのか。冬蝶の生態をよく観察した句だ。(水)

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