風に飛ぶ声訊き返す雪の尾根   深田森太郎

風に飛ぶ声訊き返す雪の尾根   深田森太郎

『合評会から』(日経俳句会合同句会)

正 映画の一シーンでも見ているような感じです。雪の尾根で、仲間が何か言ったのだが風に声が吹き飛ばされて聞こえない。大声で聞き返す。そういった情景がまざまざと浮かびます。
恂之介 厳しい状況を詠んだ珍しい句です。ただ動詞が一杯繋がっちゃってうるさい感じがするが、臨場感がありますね。「風に飛ぶ」の「飛ぶ」なんて要らない。「烈風に」などとした方がいいのではないか。
頼子 学生時代ワンダーフォーゲル部に居りまして、冬山にもよく行きました。ほんとにこういう感じで、風に声が吹きちぎられるんです。風のひりひりする痛いような冷たさまで感じられる句です。
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 冬の山と言えば丹沢、奥多摩あたりをうろうろしただけの私にはこの句を論評する資格がないが、確かにこんな具合なのだろう。表現上は多少うるさい感じもするが、「風に飛ぶ声」というのもその通りなのだろうなと思わされる。(水)

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