落葉ふむ雀の足の小さきこと        横井 定利

落葉ふむ雀の足の小さきこと        横井 定利

『この一句』

 「雀隠れ」という季語を思い出した。晩春になると雑草の丈が伸びてきて、雀を隠すほどになる。その時期の野や庭などの様子が「雀隠れ」なのだが、落葉の時期も同じようなことになりそうだ。落葉は二三日もすると茶色を増して行くので、雀にとって保護色のようになってしまう。落葉のなかでカサコソと音がするのでよく見たら、雀がチョンチョンと跳んでいたことがあった。
 「落葉を踏む雀の足なんて、見えるのかなぁ」「マンションのベランダならよく見えるよ」。句会でそんな会話が聞こえた。そうなのか、と思った。庭などでは、落葉の中の雀の存在を辛うじて確認する程度だが、マンションのガラス越しなら、近くに寄ってくる雀をしっかりと見ることができるだろう。
 雀の足が小さいのは誰でも知っていることだ。しかしそんな当たり前のことでもうまく句にすると、読み手が「本当にそうだよなぁ」と感心してしまうのが不思議なところ。ちっぽけな小鳥の健気さを教えてくれるからだろうか。「鶯の鳴くや小さき口明けて」(蕪村)という句もある。(恂)

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