葱一本孤独に添えて帰りけり       三好 六甫

ネギ一本孤独に添えて帰りけり       三好 六甫

『合評会』(番町喜楽会から)

冷峰 「孤独」が強すぎるかな、と思ったけれど、「一本」が効いていますね。私が葱を買って帰るとみんなが見るんです。自分のことが詠まれているような気がしました。
光迷 葱は普通三本だが、独り者だと一本でしょう。「孤独に」はよく分かりますね。
春陽子 葱一本は象徴的なものでしょう。「孤独に添えて」が、たまらなくいい。
而雲 そうですか。私は「孤独に添えて」がよく分からなかった。
水牛 私も別の表現がなかったかな、と思いましたが、皆さんの評を聞いていると面白い。
六甫(作者) この句を作って、分かる人と分からない人が半分ずつかな、と思っていました。而雲は分からない、春陽子は分かる。そんなところかと、踏んでいましたよ。
楓子 あのね、葱一本で全部分かるのよ。孤独とかへちまとか言わないで表現するのが俳句でしょ。
この後 「詠み過ぎだ」「いい句じゃないか」「分かっていないね」などの論争が続く。
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 「而雲」は筆者(恂)の俳号。「葱一本を我が孤独に添えて」なのか、と了解したのはしばらく後だった。(恂)

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