冷たくも明日に向かふ春の風   高橋 淳

冷たくも明日に向かふ春の風   高橋 淳

『勉強会から』

 日経俳句会の主として入門間もない人が中心になって立ち上げた勉強会。毎月一回のペースでやっているうちに3月で第30回になった。だから常連メンバーは最早初心者の域は脱している。なかなか鋭い意見が出るようになった。
 この句の元の形は「冷たくも明日の潜む春の風」だった。「冷たくも」と言うと、「冷たいけれど明日への希望が潜んでいる・・」という理屈っぽさが浮き出してしまう感じだとの疑問が呈示された。それに対して、「冷たいけれど、やはり冬の風とは違うという気分だから、『冷たくも』は必要だ」との意見が出た。さらに、「潜む、というのが良くないのではないか。明日の潜むなどと言うから理屈っぽい感じになる。これを何かに変えたらどうか」という意見。それらを受けて、いくつかの添削例が出された結果、掲出の句に決まった。確かに「明日に向かふ」は「潜む」と比べずっと明るくて、断然いいようだ。(水)

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