七五三背中に希望しょっている   池村実千代

七五三背中に希望しょっている   池村実千代

『季のことば』

 11月15日は七五三の祝い。男の子は三歳と五歳、女の子は三歳と七歳の年に着飾って氏神様に詣で、健やかな成長を祈願する。万物枯れゆく初冬の淋しさにぱっと明かりを灯したような行事である。
 幼児の段階から少年少女へと移る節目に行われる儀式は平安時代からあったようだが、7・5・3と定めて一家総出で派手に祝うようになったのは江戸後期から明治に入ってからのことである。昭和のバブル全盛期には親の見得が手伝っておそろしく派手な恰好のおチビさんが初冬の街を賑わせた。平成の今は突飛な衣装はむしろ少なくなって落ち着きを見せているようだ。
 両親だけでなく双方の親、つまりジイちゃんバアちゃんが二人ずつ付いての大人数のお参りも見受けられる。子供や親よりもジイちゃんバアちゃんの方が嬉しそうにしているのが微笑ましい。天真爛漫な子供たちを眺めていると、周囲が背負わせる「希望」があんまり重くならなければいいがなあと余計なことを考える。(水)

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