息差しの聞こえくるかに青山河     今村 聖子

息差しの聞こえくるかに青山河     今村 聖子

『季のことば』

 句会で初めて見たとき、いい句だ、と思った。夏の自然を大きくとらえる詠み方に共感が持てた。しかし結果として選び損ねた。「息差し」の意味を電子辞書で確かめようと思っているうちに、選ぶのを忘れてしまったのだ。もう一つ「青山河」という季語が持参の歳時記に載っていないこともあった。
 「息差し」は息使い、呼吸の意味で、私の推測は当たっていた。問題は青山河であった。家に帰ってから調べてみたが、大判、五分冊の歳時記にも載っていなかった。しかし青山河は季語として魅力的である。歳時記など無視し、自分で「季語だ」と決めれば、それでよかったのである。
 青山河と同じような季語がいくつかった。青嶺(あおね)、青岬、青野、青富士。これらを総合したものが「青山河」なのだ、と勝手に考えた。インターネットで調べたら、意欲的な句づくりをしている人たちが「青山河」の季語を用いていた。竹久夢二の「青山河」という絵も知ることができた。榛名山を背景にモジリアーニ風の裸婦が横たわっている、という絵であった。なぜか「息差し」の語が浮かんできた。(恂)

この記事へのコメント