鎮魂の八月おほふ熱地獄 徳永 木葉
『合評会から』(日経俳句会)
二堂 鎮魂の八月と熱地獄という言葉が響き合っていると感じました。
明生 広島忌、長崎忌、それに加えて今年は熊本の地震、千葉の水害などなど。鎮魂の八月であるはずなのに、異常とも言えるこの熱地獄、まさに言い得た句だと思います。
鷹洋 終戦を迎えた八月十五日。「日本の一番暑い日」と、近来にない酷暑を巧みに重ねた佳句です。
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「鎮魂の八月」で思い出すのは「八月や六日九日十五日」という句である。かつて日経新聞の「春秋」などでも取り上げられたが、最初の作者は誰か、というのが話題になった作品だ。諸説があり「詠み人知らず」ならぬ「詠み人多数」という声も聞く。上五の「八月や」を「八月の」あるいは「八月は」とする句もあるので、混乱は無理のないところかもしれない。
掲句はその八月が、すさまじいばかりの猛暑・酷暑続きになった今年の夏を活写している。日本ばかりでなく米国でも欧州でも渇水や山火事が頻発するなど、地球が悲鳴を上げているのは確かではないか。なのに、まだ砲弾を撃ち合い、さらには電力をバカ食いするAIの開発に血眼になっている。これでは地球温暖化の議論は風前の灯火となり、熱地獄に拍車がかかるばかりではないか。嗚呼。(光 26.08.25.)
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