百日紅桜でんぶのお弁当 星川 水兎
『合評会から』(日経俳句会)
三薬 桜でんぶの弁当は、子供の頃女の子がよく持ってきていた。そんなに高いもんじゃあないが、私らの口には入らず、うらやましいと思って見ていた。そんな思い出があって思わず採った。百日紅と桜でんぶは、並べられるとよく合っています。
豆乳 桜でんぶという言葉、久しぶりに聞いた。幼稚園ぐらいの時以来かなあ。桜でんぶの、あの薄甘い味が大好きでした。百日紅との色合いの調和と言い、かわいい句です。
卓也 いわれて足下をみると百日紅、よくもこれ程の花を散らしたものと思いますが、お弁当に見立てたのが楽しい。
ヲブラダ 杉浦日向子の漫画の一場面を切り取ったよう。身近な別世界を感じます。
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百日紅の樹はお寺や公園など身近にあり、字の通り花期は長く真夏の街路樹としてよく似合う。一部樹皮が剥げ落ちてすべすべした幹には涼感さえ感じさせる。ふわふわの花びらも優しく好ましい。散ると舗道に紅の小粒を撒き散らし風情をもたらす。この句を見たとき、「お弁当」のフレーズから女性の作だろうと。点を入れた句友は、花びらを桜でんぶに見立てたのに同意する。なるほどそう見えないことはない。「百日紅」と「桜でんぶ」――そこから昔の弁当の懐かしさを呼び起こした。
(葉 26.08.22.)
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