亀鳴くや池に映るは若き日々 岩田 千虎
『合評会から』(日経俳句会)
愉里 池を覗いて自分の若い日を見ているというセンチメンタルな気分と、亀鳴くという季語を組み合わせたところが、一味違うと思いました。
枕流 鳴かないはずの亀が鳴く池の中は、人間を若返らせる異世界なのかもしれません。
豆乳 亀鳴くは幻想的で不可思議な句が似合う気がします。この句も不思議で魅力的です。
双歩 ユニークな発想。千虎さん、池を覗いて元気になっているのかな。
誰か (テレビ番組のチコちゃん同様)永遠の五歳だね(笑)。
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「亀鳴く」という訳の分からない不思議な兼題にこの句の作者も首を捻り、腕こまぬいて亀の日向ぼっこする池を見つめていたらしい。無論、亀は鳴かないし句も浮かんで来ない。池面に自分の顔が映るばかりである。「われながら老けたわねえ」などと独り言を言い、若い頃のことを一生懸命思い出しているうちに、やれ嬉しや、どんどん若返っていくではないか・・・。
人間齢を取るとどうしても昔のことばかり思い出し、「昔は良かったなあ」となる。しかし、この作者は違う。池に映る若き自分を見つめて、若返ってしまうのだ。合評会で誰かが「テレビのチコちゃんと同じだね」と混ぜ返していたが、まさに亀が驚いて鳴き出すに違いない「若返り術」の持主である。
(水 26.05.03.)
この記事へのコメント
迷哲
髪をおかっぱにしたら、友人から「チコちゃんに似ている」と言われたとか。姿かたちだけでなく、若々しい心情もチコちゃんに負けず劣らずだと思います。